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木材を取り扱うものの常識として、木材は、乾燥しなければ使えない。というものがあります。
そして、30%切ったあたりから、狂いやねじれ、そり、割れなどができ始め、日本における平均的な平衡含水率は14%程度である。
これも知っていなければ、木材業として、少なくともプロとは言えません。
では、市場に出回っている材木が、含水率14%なのかというと、全然そんなことはなく、目標20%にしましょう。位しかなかったりします。
含水率20%から、14%の間に、どれくらい縮むのかと言うと、2%と言われています。
3.5寸角(105mm)の柱が、平衡含水率になった時に、約103mmになっている訳です。集成材3.5寸角の柱に103mm角と言う規格があるのはこの名残です。
話は戻しますが、木材は乾燥しなければ使えない、とするならば、当然、乾燥方法と言うものがあります。
大雑把に言って、機械的に乾燥する人工乾燥(この中でもかなり種類があります)、お日様や、風で乾燥する天然乾燥の二種類があります。
この天然乾燥が最高、と言う人が多々います。
まあ、確かに、重油や電気がかからないので、環境には良い。と言う主張には一理あるのですが、乾燥するのに、どれくらい期間がかかって、年何十万と建っている木造建築の必要量を乾燥させようとすると、どれだけ乾燥させる場所の面積がいるんだ?と言う疑問はどうこたえるのでしょうか。
うちは、集成材屋ですが、無垢材加工も行います。天然乾燥で、乾いている、と言われている材が乾燥していないなんて、多々ある事例です。
それどころか、人口乾燥機をかけてきた、と言われて持ち込まれたものすら、乾燥していない物があるのです。これは、特に大径材に多く、材種では杉に多い。
杉、大径材、天然乾燥、ときたら、100%乾いていないと言って過言ではないくらい。(当然古民家から取り外したものは除きます。)
天然乾燥が良い、と言っている人たちは、どれ位乾燥期間が要ると思っているのか?と聞きたくてしょうがない。
1年、2年?正直甘いと言いたくてしょうがない。
200Φクラス以上の丸柱を加工する(四角を丸にするので、対角線上はかなり切削することになる)時に、平気で水がしたたり落ちるほど湿っているのを何度も見ています。
が、加工する前に、含水計をかけても乾燥している数値しか出てこないのです。(含水計は、表層しか調べられない。)
これが現実なのです。
天然乾燥で、きっちり乾いた材料と言うものは確かにあります。某神社の材料で、木口に、購入した年月が書いてありました。神社だけあって、杉よりも乾燥しやすい桧です。
240角クラスの柱材で、平均9年、一番新しいもので7年以上でした。ちなみに切ってからでは無いので、切ってからであれば、恐らく平均10年位になるかと思います。
こんな長期間乾燥させていられるのか?と言う話です。
人工乾燥にしたところで、梁のような大径材の中心部が乾燥できているのか?と言う疑問は付きまといます。
文化財のような、芸術作品のようなものは別として、一般的な住宅で使う場合、(昔のように隙間風が吹いても文句を言わないという場合は別として)、細かい部材にして乾かしてそのまま使うか(2×4など)、それを再接着するしかないではないか、と思う訳ですよ。ここに、集成材やら、合板、LVLのような部材の優位性があると考えています。(集成材屋だからいう訳では無いです)
これでも、人口乾燥材や集成材は、耐久性に疑問がある、と言われる方は、寿命が短いと言われる、木造住宅が、人工乾燥機や構造用集成材、構造合板、プレカットと言ったものが、まともに普及しておらず、天然乾燥材で、大工が手刻みで刻んだ時代の建物である、と言う事実を、考えて欲しいわけです。
昔の家は長持ちした、と言われるのも、真っ赤なウソで、昔、庄屋やらお金持ちの商家と言った所の家が残っているのであって、一般的な民衆の住んでいた家はほとんど残っていない、と言う事実も考えて欲しい訳です。
江戸時代の長屋の寿命は、なんと平均15年だったのです。
少し脱線しましたが、木材乾燥に対して、少し考えてもらえれば、と思います。
※木材が乾燥しているというのは、最低限20%以下、できれば15%以下とみなしています。集成材の材料として使う場合、少なくとも15%は切っていないと使えないし。