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先ず、先入概念にある、天然物は体に良くて、人工物は体に悪い。と言う概念は捨てた方が良いです。
極端な例ですが、トリカブトやらフグ毒は天然物ですが、当然、致死量を摂取すれば死にます。
体に必要な食塩ですら、取りすぎれば健康に害がありますし、一度に多量な量を摂取すれば死に至ります。
当然ながら、杉花粉も自然物ですが、アレルギーで困っている人は多いはずです。
何事も量次第ということです。
接着剤の化学物質でやたらと有名になったホルムアルデヒドですが、当然の事ながら、すべての接着剤にあるわけでは無ければ、接着剤を構成する化学物質の一つにすぎません。
前回も書きましたが、平成15年頃にシックハウス症候群がマスコミを賑わせ、その際にやたらと、このホルムアルデヒドがやり玉に挙がったわけですが、当時、WTO(世界保健機関)から提言が来ていた化学物質は6種類で、ホルムアルデヒドはその内の一つでしかありませんでした。当時、国は、この6物質を一気に規制をかけるべく法令の取りまとめをしていたのですが、あまりにマスコミが騒いだ結果、ホルムアルデヒドのみを2年前倒しで、しかも、まともに検討しなかった結果、かなり厳しい基準で法律を制定しました。結果、JAS認定の新規取り直しを2年で2回することになり、かなり面倒だったことは覚えています。
で、残りの5物質ですが、調べたら、発がん性があるだの、神経を侵されるだの、書いてあり、ホルムアルデヒドは(通常の放散量では)、頭が痛くなる人や体がだるくなる人がでる、と書いてあったことは覚えています。ほかの方がヤバイのでは?と思ったことを覚えています。
で、ノンホルムアルデヒドの接着剤になったのですが、検査にかけるとホルムアルデヒドが出たのです。(現在の弊社の製品で0.1~0.2mg/l)で、接着剤を疑って、接着剤の塊を検査したら、0.0mg/L。つまり全く含まれていませんでした。どういうことかと言うと、ホルムアルデヒドは自然に存在するのです。植物自体が虫を寄せ付けないための一種の抗体として持っているのです。※1 有名なところでは、乾燥シイタケに多量に含まれています。なので、お鍋をすると、室内環境基準以上にホルマリンがあることになってしまいます。
無垢材は、自動的にホルマリン放散量F☆☆☆☆とされたのですが、ある種の木材はこれを満たしてはいません。
当然どう言う事だ、とかなり弊社以外からもあちらこちらが問い合わせをしたのですが、役所からの返答は「自然のホルムアルデヒドは良くて、人工のホルムアルデヒドは良くない。」と言う、理解不能な回答が返ってきました。(※2)
当然、お鍋をしただけで満たさない基準ですから、(特に密閉度が高いマンションで多く出たのですが)新築時検査で、空気中の化学物質放散量基準を満たさないので、材料の認定を取り寄せたら、すべてF☆☆☆☆だった。と言う事が多発し、結果、建築基準法で24時間換気が義務付けられる、と言う流れになった訳です。
現在、木材接着の主流は、ビニル系ですが、当然、食べたりしたら問題ですがそんなことをする人はいないので、出てくる化学物質だけと言うことになりますが、固まった塊から、何も出てこないので、事実上無害なのではないかと思います。(水分を飛ばして固まるタイプなので、水には弱そうですが)
室内で使う造作用の場合、塗装をかけることが多いので、塗装から出る化学物質の方が問題では?と思いますが、自社で塗装は行っていないので、詳しくはわかりかねます。
不燃木材には、ホウ酸およびリン酸が入っているのですが、当然こちらも塊で食べる、などと言う人はいないと思うので、ホウ酸の毒性は食塩と同等程度、リン酸は、正直、農作物の肥料で使っている物ズバリなので、舐めた程度で害があるなら、野菜全般を食べれない事になってしまうので、ほぼ、人体に害が無い物と考えています。
それでも、化学物質だろうと言う人は、薬全般が化学物質だと思うのですが?天然の漢方薬でも副作用はありますよ。
僕はスギ花粉症ですが、杉の無垢を切削して、集塵が悪い状態で近くにいるとアレルギーが出る、と言っておきます。
※1 植物に含まれている結果、お米をつぶしただけのでんぷん糊が、F☆☆☆☆を満たしません。(学校の図工とかで使いますが)
※2 ボイラーのダイオキシン検査の時も、「ダイオキシンは塩化化合物だから、塩素を燃やさなければダイオキシンは出ない筈ですが」と言ったのですが、出るから検査をと言ってきました。ボイラーで核反応でも起きているのですかね?(ダイオキシンは800℃以上で発生しないことが知られているので、炎色検査で800℃以上が確認されたのでそれで許可が下りましたが。)
ちなみに食塩(塩化カルシュウム)を火にかけると発生しますが、当時マスコミはダイオキシンを史上最悪の化学物質とか言っていましたが、本当か?(安全であるとは言っていません。史上最悪に対して疑問を持ったのです。念のため)
集成材と言うものを扱っていると、よく聞かれることがあります。(最近は減りましたが)
集成材は何時まで持つのか、接着剤は剥がれたりしないか?
この回答なのですが、聞くと、わかりません、接着剤は剥離しません。と言う回答が返ってきます。
この回答をもとに、主に無垢材指向の人たちは、こう言うわけです。
合板や集成材の接着剤は工業製品です。できてから、どんどん強度が落ちます。
歴史が浅く、何年もつか分かりません。と
こんな商売をしている訳ですから、昔、調べました。
集成材の定義ですが、板を接着剤で接着したもの。
合板の定義ですが、板の繊維方向を直交させて何層かで接着したもの
と定義します。
この定義をしてしまうと集成材は少なくとも10世紀にはあったことになってしまう。
で合板は紀元前1500年ごろのエジプト
さらに弊社では、集成材の上に突板と言う薄い木を貼ったものを作っていますが、この突板、正倉院の中にある、つまり、奈良時代にはあった、そうです。
このころの接着ですから、膠(天然の骨やら皮を煮出して作った接着剤)な訳です
これ、接着力は強力なのですが、腐りやすいのが欠点だそうです。
が、まだ、接着されている訳です。(ファラオの墓の中の調度品とか、でなければ合板の歴史が分からない)
膠は温めると溶けて、冷えると固まる性質を利用した接着剤です。
煮沸試験や、浸漬剥離試験を通りませんので、当然、現在のJAS規格には通りませんが。(現在でも蒸気を当てるとあっさり剥がれるので、将来の修繕を考えて、文化財とかには膠を使うそうです)
天然物で、現在の合成接着剤と違う。と思われると思います。
で、歴史的に、初の近代的合板、初の近代的集成材と言うものがあります。
前者は、ロータリーベース(要するに大根なんかで料理人が行うかつら剥き)でできたものを指すそうで、後者は合成接着剤で接着したものを指すそうです。
とすると、近代的集成材が出来た時が合成接着剤のできた時と考えてよいかと思います。
それ以前にも、カゼイン系接着剤(牛乳から作った接着剤)の集成材はあったそうです。(これで出来た建物が現存する、つまり剥離していない)
昔本で読んだ時はこれが190×年。(ネットで調べても出てこない?)
その時に読んだ本では、戦前には日本でもあった筈。(ごめんなさい記憶があいまいで)
湾曲集成材(曲がっている集成材)を使った、日本最古の集成材建造物は1951年でこれは建物はなくなったのですが、外して、集成材自体は残っている、剥離していない。ちなみにユリア系接着剤で、現在のJASでは接着力が足りなくて不可。
化粧貼り集成材
これは歴史が完璧にわかっていて、昭和32年、尾州木材工業、片桐銘木工業、紅広木材の共同開発。これができた時に弊社は設立しているのですよ。
それ以前から、集成材の柱を作っていたそうですが、売れないので、突板を貼ることを思いついたのだとか。
ちなみに、実家やら、叔父の家に使っていますが、ほぼ、全く剥がれていない。(後述します)
接着力の強度低下ですが、接着剤によって違うのだよね。
先ほど有った、ユリア系、50年ほど経ったものを試験しています。(200何年だったっけ?)新品時を1として0.8
構造用集成材として、絶大な接着力で君臨していたレゾルシノール系接着剤。
外部10年(皮膜などで保護をすると、それのおかげ、と言われるので、何もしない為、これ以上は腐る)、内部30年、船に使用したもの(海自の掃海艇)はデーターがありますが、全くの1、低下しない。あまりに低下しないので、1000年もつとか、2000年もつとかいう人がいる。
合板や、造作用に長きにわたって使われた、尿素系(ホルマリンが出まくるので(F☆☆位になる)、現在使用していない)も、これまた低下しなくて、弊社で嫌がらせに外部に置いておいたら、剥離せずに腐りました。(タイプ2、即ち内部使用だったのですが)
平成15年ホルマリン放散量が規制され、全くホルマリンを含まない、イソシアネートやビニル系接着剤に切り替わったのですが、正直、ここから1年強、剥離やら、(ホルマリンに防虫効果があったものだから)虫が出たとか大発生しました。が、しばらくしたら収まった。接着力はメーカーが頑張った?虫の方は色々噂が出たけど。
あれから、1数年たつけど、着いているものは剥離していないか。
としたら、接着剤が急に変わったことによる初期不良?本当に、あの時期だけは自信がありません。
いずれにせよ、少なくともJAS規格の通る接着剤はちゃんと、接着法を守り、適切な環境で接着したものは剥離しない。と言う結果にしかならないのです。
剥離より、腐る方が速い。
木材の耐久性について法隆寺をよく上がりますが、専属の宮大工がずっといて、チェックとメンテナンスがあったことは意外と知られていない。
そもそも、木材すべてが、セルロース(繊維)とそれを接着する成分(リグニン(分類上フェノール系のホットメルトになる、純粋なリグニンは、ほとんどプラスチックみたいなものになる))で出来ているのですがね。
集成材か無垢材かより、何が大切なのか、って事です。
何れにせよ、集成材や、接着剤の耐久性は分からない、とか、剥離しない、とかと言う返事になるのはわかるかと。
集成材で剥離がおきてる、と言う人、僕が知っている範囲、塗布量ミス、温度ミス、配合比ミス、圧締圧力ミス、圧締時間ミス、のどれかの、初期不良ですね、それ。一見着いているように見えるのが、質が悪い。(例えば板に厚みムラがあると、薄いところで圧力が足りなくなる→剥離。という訳で、剥離自体にも規制(試験で、ここまでの剥離ならば強度低下しないと言うのが出ている)があったりする。)
他には、疑似剥離(接着剤はついているけど、木が膨張乃至収縮して、接着面に沿って割れる、これが起こると言う事は、適切な環境でない)もありますが。
他には、JASで通らない、ゴム系接着剤、ホットメルト系(温めると溶けて冷えると固まる性質を利用した接着剤)は剥離します。築30年以上の実家で剥離しているのはこの二つ。
何故使うのかと言うと、突板やシートを貼る場所によっては、作業性の問題から、使わざるおえないと言う事情があります。
まあ、完全剥離でない所を見ると、やっぱり接着法が悪かったのかな?(ゴム系は機械プレスではなく、人力で貼るので、下手な人がやると、圧力不足。)
ホットメルト系は直射日光が当たるところなどでは良く剥離していますね。(理由は一目瞭然、適切な環境でない)
この二つに対してはの耐久性は全く自信が持てません。が、構造用に使用される可能性は0です。
接着剤の化学物質と健康に対してはですが、別の機会にします。
木材を取り扱うものの常識として、木材は、乾燥しなければ使えない。というものがあります。
そして、30%切ったあたりから、狂いやねじれ、そり、割れなどができ始め、日本における平均的な平衡含水率は14%程度である。
これも知っていなければ、木材業として、少なくともプロとは言えません。
では、市場に出回っている材木が、含水率14%なのかというと、全然そんなことはなく、目標20%にしましょう。位しかなかったりします。
含水率20%から、14%の間に、どれくらい縮むのかと言うと、2%と言われています。
3.5寸角(105mm)の柱が、平衡含水率になった時に、約103mmになっている訳です。集成材3.5寸角の柱に103mm角と言う規格があるのはこの名残です。
話は戻しますが、木材は乾燥しなければ使えない、とするならば、当然、乾燥方法と言うものがあります。
大雑把に言って、機械的に乾燥する人工乾燥(この中でもかなり種類があります)、お日様や、風で乾燥する天然乾燥の二種類があります。
この天然乾燥が最高、と言う人が多々います。
まあ、確かに、重油や電気がかからないので、環境には良い。と言う主張には一理あるのですが、乾燥するのに、どれくらい期間がかかって、年何十万と建っている木造建築の必要量を乾燥させようとすると、どれだけ乾燥させる場所の面積がいるんだ?と言う疑問はどうこたえるのでしょうか。
うちは、集成材屋ですが、無垢材加工も行います。天然乾燥で、乾いている、と言われている材が乾燥していないなんて、多々ある事例です。
それどころか、人口乾燥機をかけてきた、と言われて持ち込まれたものすら、乾燥していない物があるのです。これは、特に大径材に多く、材種では杉に多い。
杉、大径材、天然乾燥、ときたら、100%乾いていないと言って過言ではないくらい。(当然古民家から取り外したものは除きます。)
天然乾燥が良い、と言っている人たちは、どれ位乾燥期間が要ると思っているのか?と聞きたくてしょうがない。
1年、2年?正直甘いと言いたくてしょうがない。
200Φクラス以上の丸柱を加工する(四角を丸にするので、対角線上はかなり切削することになる)時に、平気で水がしたたり落ちるほど湿っているのを何度も見ています。
が、加工する前に、含水計をかけても乾燥している数値しか出てこないのです。(含水計は、表層しか調べられない。)
これが現実なのです。
天然乾燥で、きっちり乾いた材料と言うものは確かにあります。某神社の材料で、木口に、購入した年月が書いてありました。神社だけあって、杉よりも乾燥しやすい桧です。
240角クラスの柱材で、平均9年、一番新しいもので7年以上でした。ちなみに切ってからでは無いので、切ってからであれば、恐らく平均10年位になるかと思います。
こんな長期間乾燥させていられるのか?と言う話です。
人工乾燥にしたところで、梁のような大径材の中心部が乾燥できているのか?と言う疑問は付きまといます。
文化財のような、芸術作品のようなものは別として、一般的な住宅で使う場合、(昔のように隙間風が吹いても文句を言わないという場合は別として)、細かい部材にして乾かしてそのまま使うか(2×4など)、それを再接着するしかないではないか、と思う訳ですよ。ここに、集成材やら、合板、LVLのような部材の優位性があると考えています。(集成材屋だからいう訳では無いです)
これでも、人口乾燥材や集成材は、耐久性に疑問がある、と言われる方は、寿命が短いと言われる、木造住宅が、人工乾燥機や構造用集成材、構造合板、プレカットと言ったものが、まともに普及しておらず、天然乾燥材で、大工が手刻みで刻んだ時代の建物である、と言う事実を、考えて欲しいわけです。
昔の家は長持ちした、と言われるのも、真っ赤なウソで、昔、庄屋やらお金持ちの商家と言った所の家が残っているのであって、一般的な民衆の住んでいた家はほとんど残っていない、と言う事実も考えて欲しい訳です。
江戸時代の長屋の寿命は、なんと平均15年だったのです。
少し脱線しましたが、木材乾燥に対して、少し考えてもらえれば、と思います。
※木材が乾燥しているというのは、最低限20%以下、できれば15%以下とみなしています。集成材の材料として使う場合、少なくとも15%は切っていないと使えないし。
高校求人の説明会に行ってきました。
昨年度の求人倍率は2倍以上
果たして来てもらえるのか心配しながらです。
木曽五木ってご存知ですか?
桧(ヒノキ)、翌檜(アスナロ)、サワラ、ネズコ、コウヤマキの五種類を言います。
これらを使った、柱の注文を頂き、製作しました。
柱と言ってもデザイン柱で、荷重がかかるものではありません。
断面は、こんな感じになっています。
台南地震で崩壊したビル、やはり鉄筋を抜いたり、柱を抜いたりしたみたいですね。
所で、RCや鉄筋の建築強度計算に有って、木造の強度計算に無い物がありますが分かりますか?
柱の鉛直荷重計算です。
木造建築はすべて横方向の計算しかありません。
在来、大壁工法、2×4の関係なく、梁の強度と、壁倍率しか存在していないのです。
なぜかと言うと、あるに決まっているからです。
比較的やわらかい杉の柱、標準的な間柱の大きさである105角の鉛直荷重強度でも3.9tあります。
建売クラスの、洋瓦で2t位と言えば、どれほどあるか分かりますかね?
一方で、横荷重はそこまでは無いので、梁どころか、柱ですら横荷重強度で強度が記されています。
阪神淡路でたくさん倒れたのでは?と言われるかと思いますが、柱が折れるポイントは、2階床部分で。少し考えればわかりますが、梁の差し込みで欠損があるうえ、屋根の動きと2階床面の動きが違うことで、横荷重がかかって折れます。
それ以外では、建物が傾いでそのまま倒れるのです。
つまり、柱が傾かない、つまり建物を傾がせないことが重要と言う事になります。
そこで、壁倍率が問題になるのです。
そうするに、ALL4寸(120角)柱だから頑丈、なんてことはないのです。
それで言ったら、90×45でできている、2×4はどうなるのだと。
当然、上記の条件はシロアリや腐った木には適応されませんが。
RCで鉄筋を抜くなんてそれと一緒ですので、倒れて当然ですが。
pS.お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りします。
11月末の注文のものです。
オープンして少し経つので、少しは減っているので、先日見に行ってきました。
無垢材の加工で表面を雑くかつ、キッズコーナーなので子供の指に刺さらないようにと言う注文を頂きました。
これは直径900φを斜めに切って欲しいとあり、結構大変でした。
写真ではわかりにくいですが、鉄芯を通すため、二つ割しています。
かなりの数がある丸柱加工があり、2社に分けて発注を頂きました。
で、弊社に見学に来られ、一部を納品した所で仕上がりが違いすぎるとの事でもう一社の物がクレームになり、弊社にてやり直しをすることになりました。
これが、再仕上前の状態です。
再仕上をした後の状態です。
ボコボコだった表面がきれいな状態になったのがわかって頂けたら幸いです。